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古紙ジャーナル バックナンバー

【京都有機質資源】
食品廃棄物を大型プラントで肥料と飼料に
稼働率は4割だが、来春にかけて駆け込み需要
全国の登録再生利用事業者は53件

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2005年3月21日 632号

京都有機質資源の第1工場、食品廃棄物を分別する

本紙625号で古紙問屋㈱二見の食品リサイクルセンターを紹介したが、今回、京都府長岡京市にある京都有機質資源㈱の食品廃棄物の飼料・肥料化大型プラントを見学させてもらった。同プラントは03年6月に稼働しており、まもなく満2年になる。プラントの稼働率は現在、4割程度という。

まだ稼働率が低いのは①京都府にはカンポリサイクルプラザの大型施設もできた②平成18年度までにすべての食品関連事業者が再生利用などの実施率を20%以上にすることが義務づけられているが、まだ立ち上がっていない事業者が少なくない③周辺自治体の一廃の処理費用が安いので、一廃として出てくる食品廃棄物のリサイクルが進んでいないーなどによる。本紙が食品廃棄物のリサイクルに関心を持つのは、段ボールなどの事業系古紙と排出先が同じということにある。

今後、駆け込みで食品廃棄物をリサイクルする事業者が増えるとみられており、来年にかけて同社の稼働率も一気に高まる見通し。ちなみに食品リサイクル法が施行されたのは01年5月。年間100トン以上の食品廃棄物を排出する食品関連事業者は、5年以内に20%の再資源化を義務づけられている。猶予期間はあと1年ということになる。

排出量は年間1,130万トン

家庭から出るごみ(一廃)は年間で約3,500万トン。このうち三分の一が食べ物のごみという。一方、食品関連事業者から排出される食品廃棄物(売れ残り、調理くず、食べ残しなど)は年間約1,130万トン。ほぼ家庭から排出されるのと同量だが、食品リサイクル法は後者の食品廃棄物の発生を抑制し、リサイクルするのが狙い。家庭から出る生ごみについては規制していない。

ところで食品関連事業者とは①食品の製造・加工業者(食品メーカーなど)②食品の卸売・小売業者(デパート、スーパー、コンビニなど)③飲食店および食事の提供をともなう事業を行う者(食堂、レストラン、ホテルなど)を指す。同じ食品廃棄物でも①から排出されるものは産廃で②③は一廃だ。従って、リサイクル業者は産廃と一廃の両方の処分業や収集運搬業の許可が必要になる。

優先順位は

食品関連事業者が食品廃棄物の再生利用に取り組むときの優先順位は①発生を抑制する②再生利用する③減量する。①は生産や流通過程の工夫、消費のあり方の見直しなどによって、食品廃棄物そのものの発生を抑制すること。②は食品廃棄物のうちで再資源化できるものは肥料や飼料、油脂や油脂製品、メタンの原材料として再生利用すること。③は食品廃棄物は水分を多く含み、腐敗しやすい性質がある。このため、再生利用できない場合などは脱水・乾燥・発酵・炭化により減量を行い、廃棄処分を容易にすること。

登録業者は53社

今年2月時点で農水省から再生利用事業者として登録された食品リサイクル事業者は別表のように全国で53社。関西ではわずか3社である。登録の有効期限は5年間である。今年、食品リサイクルセンターを本格稼働させた二見は登録業者になっていない。この間の事情を問い合わせると、①農水省に申請して登録までに1年近くかかる②登録業者になると助成措置があり、また域外で発生する食品廃棄物も扱える(廃棄物は原則域内処理)という。

分別機で粉砕して原料と異物に分ける

京都有機質資源の工場敷地は1,300坪ある。敷地内に2棟の処理棟(工場建屋)と排水処理設備がある。食品廃棄物の処理フローをみてみよう。食品工場やスーパーマーケットなどから同工場に持ち込まれる食品廃棄物の内訳は、産廃と一廃がおよそ半々という。
処理棟は2棟からなる。1棟には分別機が設置されている。持ち込まれた食品廃棄物をスクリューで粉砕し、原料となる食品廃棄物と異物に分ける。

異物の大半はプラスチック類である。例えば売れ残りの麺類はフィルムで包装されているし、豆腐類はパックに入っている。こうした異物を原料(食品廃棄物)と一緒に粉砕し、粉砕後に分別している。異物でもスプーンなどの金属類はスクリューを破損するため、禁忌品となる。

飼料と肥料の2ライン

異物を除去し、粉砕された原料は隣の処理棟にパイプで搬送される。処理棟には飼料化と肥料化のふたつのラインがある。処理能力は飼料化ラインが24時間稼働で1日126トン、肥料化ラインが八時間稼働で約19立方メートル。処理方法はどちらもオートレム方式(油いため方式)を採用している。

まず予備処理混練漕で油を混入し、加熱してからクッカーへ移す。クッカーの減圧下で摂氏80度~90度に加熱し、約1時間で水分を蒸発させる。混入された油は油切りホッパーと油絞り機を使い10%以下にまで除去。固形物を砕き、ふるい機にかけてほぼ均一の粉末にし、肥料や飼料にする。

臭気はフロアーで吸引し、高濃度のものを摂氏800度~900度で燃焼処理、低濃度のものを水、酸、アルカリで三段階洗浄する。排水は浄化し、工場内で循環させて使用している。処理棟では油の臭いはするが、生ごみ固有の臭気はほとんどない。

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