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古紙ジャーナル バックナンバー

【容器包装リサイクル】
今年度のPETボトルの落札価格、遂に有償に
平成12年のスタート時に比べて、紙とPETは暴落
高止まりのプラスチック、競争原理働かず

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2006年5月8日 687号

日本容器包装リサイクル協会はガラスびんなど4品目について、今年度の落札単価をホームページ上で公表した。それによるとPETボトルの落札価格は、1万7,300円(トン当たりの加重平均)の有償価格となった。有償価格とは再商品化事業者(落札業者)が協会に料金を支払うこと。昨年までは有償の入札が認められていなかったので、落札価格はすべて逆有償だった。

特定事業者(容器製造業者や利用業者など)から協会がリサイクル費用を徴収し、落札価格に応じて再商品化事業者に費用を支払うというのが容リ法の仕組み。有償化はこの仕組みの根幹に風穴を開けたわけだが、PETボトルの輸出を問題視する議論はあっても、PETボトルを再商品化義務から外すという論議はまだ本格的に起こっていないもよう。

容器包装リサイクル法によって再商品化義務が課せられているのは4つの素材だけ。すなわちガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装の4品目。スチール缶、アルミ缶、段ボール、紙パックは市場で有価で回っているということで、再商品化義務の対象からスタートで除外された。

PETボトルの落札価格が暴落

PETボトルは昨年度までは当然ながら逆有償。昨年度の落札単価(加重平均)はトン1万3,600円だった。協会が落札業者にこれだけの費用を払ったことになる。しかし、今年度は有償入札が認められたこともあって、落札価格は1万7,300円の有償価格となった。前年度に比べて実に3万900円もの下落。

ちなみにPETボトルの収集がスタートした初年度(平成12年度)の落札単価はトン7万1,400円。キロにして71円40銭の費用が支払われた。それが6年後の今年度、17円30銭の有償(協会に落札業者が払う)になったのだから、まさに劇的な変化である。この劇的な変化をもたらしたのは中国への輸出の拡大であろう。

法改正論議は終わったばかり

PETボトルは現在、国内市場でも有価で回っているといえる。缶や段ボールや紙パックは有価で回っていたため、容リ法の再商品化義務の対象から外された。有価になったのだからPETボトルも再商品化義務の対象から外れてもおかしくはない。しかし、法改正論議はこのほど終わったばかり。この問題が真剣に話し合われた痕跡はない。

プラリサイクル、韓国が日本より進む

本紙がPETボトルを含めたプラスチックのリサイクルに関心を持ったのは、95年(平成7年)秋に韓国に出かけのがきっかけ。この視察旅行で韓国の古紙問屋がPET、PP、PEの回収に本格的に取り組んでいたからである。回収されたものは中国に輸出されていた。廃プラのリサイクルは日本より韓国が遙かに進んでいたわけだ。輸出価格は置き場渡しでPETが日本円でキロ60円、PPやPEが24円。いまの日本の輸出価格と余り変わらないことになる。

購入価格、一時は暴落

帰国してすぐ栃木にあったウイズペットボトルリサイクルの工場(現在は閉鎖)を見学する。関東の自治体(容リ法がスタートする前で、関東の自治体は自主的に集めていた)からPETボトルを購入し、フレーク状の製品に再生処理していたからである。購入価格はグレードにより三種類に分かれており、キロ2円~10円の有価だった。

その後、容リ法による収集が始まり、こうした再生処理工場が購入する価格は暴落する。前述のようにリサイクル費用が協会から支払われたことによる。あれから11年、当時の韓国の古紙問屋のプラスチックリサイクルの現実が、ようやく日本の現実になったともいえよう。

PETボトル、輸出は15万トンか

廃プラの輸出量は昨年106万トンと初めて100万トンを超えた。このうち香港・中国向けが90%以上を占める。ごみ同然の廃プラが輸出されたことで、中国は日本からの輸入を禁止。このため日本からの輸出が中断していたが、輸出は減るどころか増え続ける。香港経由で輸出され続けたからである。

PETボトルは輸出品目としてはその他廃プラに入り、正確な輸出数量は把握されていない。ちなみに近年のPETボトル樹脂の生産量は年間約50万トン、うち60%の30万トンが回収されている。04年度のデータによると、市町村による分別収集量が23万8,000トン、事業系回収量が8万1,000トンとなっている。事業系とはベンダーなどによる回収を指す。事業系の大部分と市町村の分別収集の三割程度が輸出に回っているとみられる。つまり輸出量は15万トン程度。

協会が市町村からの引取る数量はこれまで順調に伸びてきたものの、昨年度は初めて落ち込み17万トンにとどまる。前年度は19万トンだった。輸出が増え、国内市場も有価で回るようになり、市町村が協会に引き渡すのでなく独自ルートで集め、売却するケースが増えてきたことによる。

容リプラは高止まり

逆有償から有償になって前年度比3万900円も落札単価が値下がりしたPETボトルに対して、今年度のプラスチック製容器包装の落札単価は8万4,600円。前年度に比べてわずか600円しか値下がりしていない。競争原理がほとんど働かないからである。働いていない。原因は再商品化手法として材料リサイクルとケミカルリサイクルしか認めてないため。

しかも材料リサイクルが優先される。別表のようにケミカルリサイクルのD社の入札価格が安くても全量を落札できない。これが高止まりする要因となっている。プラスチックの再商品化費用に490億円(平成17年度)もかかっている。これは全体の費用の九割方を占め、いまの容リ法はプラのためにあるといっても過言でない。

容リl協会の素材別の平均落札価格の推移

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