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古紙ジャーナル バックナンバー

古紙ヤードの開設、今年も全国で19ヵ所
仕入競争の激化による仕入高で輸出増える

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2006年7月3日 695号

今年も7年連続で古紙ヤード(回収基地)の開設ラッシュとなっているが、本紙の調査によると七月時点での新ヤード(既設ならびに今後完成の予定)は20ヵ所に達した。設備投資の主役は今年も古紙問屋で、廃棄物業者の古紙ヤードは仙台マテリアルのみ。

過去6年間におよそ155ヵ所の新ヤードが誕生しており(ピークは04年の41ヵ所)、年平均すると25ヵ所の計算になる。新ヤードの開設は仕入れ競争を激化させており、慢性的な仕入高は輸出を促進させるという現象を生み出している。輸出が国内より高いため、車間距離がとれる(売買差益のある)輸出を問屋が指向するようになったためだ。

別表の20ヵ所の新ヤード他に、廃棄物業者が中間処理施設(あるいはリサイクルセンター)に古紙のベーラーを導入するケースも増えている。熊本県の宇土市で、緒方清掃が今夏、ベーラーを設置する。

集めた古紙が売れる

新ヤードが増えるのは集めた古紙が売れるから。昨年、回収量(2,232万トン)の16%が輸出(365万トン)に振り向けられ、その輸出の8割を占めたのが中国。中国市場の動向が今後も鍵を握るが、00年以降、伸び悩んだのは02年だけ。毎年300万トン前後も輸入が増え続けている。今年も450万トンの輸入増が見込まれている。ちなみに昨年の古紙輸入量は1,700万トンで、今年は2,150万トンに達する見込み。

こうした古紙輸入増を支えているのが、中国における紙・板紙生産の驚異的な伸び。低迷する米国や日本を尻目に、4年連続で二桁成長を続けており、1人勝ちの様相を呈している。09年にもトップの米国の生産(年産8,000万トン台)に中国が追いつくとみられている。この生産を賄う原料として輸入古紙が欠かせないわけだ。

ヤードの規模は様々

国内に開設される新ヤードの規模は様々。岐阜市にできた宮崎(本社・愛知県清須市)の岐阜リサイクルセンターは敷地面積が約5,000坪の全天候型の大型ヤード。一方、前号で紹介した東日紙商の新ヤードは都心の市街地ヤードということもあって敷地面積は270坪。古紙ヤードの機能の違いからくるもので、多様性があるのが特徴だ。

かっては数100坪のヤードがほとんど。近年は輸出基地を兼備した郊外型のヤードが増えたこともあって、敷地面積で1,000坪前後の大型ヤードが増えた。これは時代の流れか。

回収は群雄割拠

宮崎グループは今秋、3番目のヤードを埼玉県上尾市に新設する。従来のヤードが手狭になったため。これが同社グループの48番目のヤードとなり、来春頃までに50ヵ所を目標としている。また古紙の扱い量年間100万トンを目標にしており、現在は月間8万トン前後とか。今秋から年末にかけて回収量が伸びると、年内に100万トンを達成できるかもしれない。 

ところで昨年の全国の回収量は2,232万トン。100万トンは全体の4%にすぎない。王子グループは年間約500万トンの古紙を消費しており、消費規模に比べると回収規模は小さい。回収は群雄割拠というのが日本の現実でもある。

欧米では古紙回収において廃棄物業者や製紙メーカーが大きなシェアを持つ。一方、日本は古紙問屋が圧倒的なシェアを持っており、こうした業態や資本構成の違いが日本の回収規模が小さい理由のひとつに挙げられている。

仕入れ競争が激化

ヤード開設ラッシュはごみの減量化や古紙の回収促進につながっている一方、仕入れ競争が激化する要因にもなっている。仕入れ競争が激化すると、仕入れ価格が慢性的に高くなる。問屋の儲けは売買差益である車間距離に大きく左右される。今年は新聞、雑誌が四年ぶり、段ボールが3年ぶりに上昇したとはいえ、新聞、雑誌でキロ1円、段ボールで1円~2円。国内価格の値動きは小さくなった。

この国内価格を4年にわたって上回るようになったのが輸出価格。主要港である東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・博多の6港が古紙輸出全体に占める比率は8割。こうした主要港から輸出できる問屋は各品種とも国内価格より2円前後手取りがいい。

ヤードが増えると輸出が増える

仕入れ競争が激化すると車間距離が縮まるので、手取りのいい(車間距離がある)輸出を問屋は指向する。輸出は車間距離を取るための有効な対策でもあるわけだ。風が吹けば桶屋が儲かるのたとえではないが、ヤードが増えると仕入れが上がり、仕入れが上がると車間距離が縮まり、車間距離を取るために輸出する。つまりヤードが増えると(国内に回らず)輸出が増えるという、新現象を生み出している。

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