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古紙ジャーナル バックナンバー

【大津板紙】
立地活かし10年前から機密書類を使用
開梱せず段ボール箱を箱ごとパルパーに投入

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2006年8月28日 702号

ストックされる古紙の山、機密書類は一切保管しない

大津板紙㈱(滋賀県大津市馬場1丁目15番15号、宮崎君武社長)を見学させてもらった。大津市の街中にあり(小中高の学校に囲まれた製紙工場は日本でも同社だけとか)、都会地工場という立地条件を活かして機密書類を大量に使用している。

機密書類の使用は10年前から始めたもので、機密書類の入った段ボール箱を開梱せず、箱ごとパルパーに投入して処理している。機密書類は雑誌の代替原料になり、4層抄き外装ライナーのアンコ(2層目や3層目)となる。ところで同工場は平成16年に重油からガスボイラーに転換、今回の原油高騰の危機にタイミングよく対応できた。加えて平成元年から始めたTPMで優秀賞を3度受賞。

ガスボイラーを導入

宮崎社長によると、かって中国を訪問した際に、人口の多さに驚くとともに、将来のエネルギー資源の供給不安を抱く。そこで平成16年に重油炊きボイラーを天然ガスのコージェネレーション(熱電併給)システムに切り換え、今回の重油高騰の波をうまく乗り切ることができた。この結果、年間でエネルギー消費量を11%、CO2を34%削減し、工場の自家発電率90%を実現した。

TPMで3度受賞

また平成元年から開始したTPM(トータルプロダクティブメンテナンス)で、優秀賞の表彰を3度も受けた。TPMとは現有設備の能力を100%引き出すための活動のことで、抄紙機の整備、生産効率の向上、品質の向上、原価低減、安全意識の徹底などが図られているかどうかが、評価の基準になる。また最近は2日に1回は工場見学を受け入れているとか。外部の人が見学に来ると、工場をきれいにしたいという気持ちが従業員に働き、労働意欲の向上にもつながるからだ。

年間22万トンの外装ライナーを生産

本紙では昨年来、機密書類を使用する側と集める側からいろんな事例を紹介してきた。今回は使う側。機密書類を大量に使用しているのは、製紙では古紙もの家庭紙メーカーで、板紙メーカーの使用量はまだ限られる。月1,000トン以上の機密書類を使用しているのは現在では興亜工業(静岡)のみ。大津板紙は月500トン程度で興亜に次ぐ存在だ。

ところで大津板紙は年間約22万トンの4層抄き外装ライナーを専抄。段ボール原紙の生産量では国内10位の規模を誇る。坪量は160グラムの薄物から280グラムの厚物までを生産。

国内で最初にDLK使用

古紙は月間2万1,000トンを利用。内訳は1万4,000トンが段ボール古紙、7,000トンが雑誌(機密書類500トン程度を含む)、強度を上げるために600トンほどDLK(段ボール工場から発生する裁落もの)を使っている。DLKは全てアメリカ西海岸からの輸入品。

同社は約20年前、国内メーカーとしてはいち早くDLKを使う。アメリカに在住していた宮崎社長の友人の話がきっかけ。オイルショックを経験して原料の高騰に危機感を持っていた氏はDLKの輸入を決めた。当時、UKP(未晒しクラフトパルプ)の単価に対しDLKの単価は三分の一程度であったとか。

半径100キロ内の古紙を使用

製品も古紙も大半、本社を中心とした半径50キロ内、遠くても150キロの範囲内で販売したり、回収されたりしている。大阪と名古屋が半径100キロ内に位置し、物流面では大変に有利。また車で10分の3,000坪の敷地に、1万トンの製品を保管可能な石山物流センターを持つ。ちなみに同社の創業は1955年。昨年は50周年を迎えた。

段ボール箱ごと投入

前述したように、大津板紙では10年前から機密書類を使い始め、使用量は月間500トン程度。年間でみると3月と6月の使用量が最も多い。これは3月と6月の発生が多いためだ。原則としてシュレッダーにかけたものは使用しない。段ボール箱に入ったままの機密書類を、開梱せずに直接パルパーに投入して溶解処理する。中身を見ないでパルパーに投入するので、溶解中の様子をカメラ越しに異常がないかを絶えずチェックする。

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