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古紙ジャーナル バックナンバー

【小矢澤商店】
株式譲渡によるM&AでJP資源傘下に
自社回収増やし企業価値を高めて売却へ

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2014年5月12日 1081号

これまで古紙問屋の吸収合併(以下M&A)というと、債務超過や経営状態の悪化による救済的な意味でのM&Aが多かった。小矢澤商店(本社・長野市)は、企業価値を最大化した上で、事業を他社に委ねた積極的なM&Aを選択したケースだ。3月末に日本紙パルプ商事(JP)のグループ会社であるJP資源の傘下となった。こうしたM&Aは、①資産超過で経営状態が良好なこと、②株主・組織体制の移行がスムーズにできること、③自社回収など安定した玉があること等がポイントとなりそうだ。今後の事業承継における手法の一つとしても注目される。

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金融機関出身で株式譲渡に抵抗なく

今回、小矢澤商店の前社長である小矢澤周一氏にも直接話を聞く機会を得た。氏は上智大学卒業後、八十二銀行に勤めるサラリーマンだったが、父の急死に伴い12年前に入社。家業である小矢澤商店の後継者に就いた。「もともと金融機関にいたこともあり、株式譲渡に対して抵抗がなかった。他社の2代目、3代目の方のように、まず古紙業界ありきという考えが希薄だった。むしろいかに企業価値を高めて売却するか、というのも状況に応じて行う手段の一つだった」と話す。

経営環境に危機感募る

氏は弱冠46歳で、いわば働き盛りの年齢。それにも関わらず、早々と株式譲渡という手段を選んだ。「古紙の扱い量が減っている中で、ヤードは乱立している。行き着く先は合従連衡。これまで5年、10年のスパンより今後2、3年のスパンでこうしたM&Aが頻繁に起きてくる」との危機感も引き金になった。同社の扱い量は2ヤードで年間1万9,000トン。月間にして1,600~1,700トン。年商は4億円あった。ここ数年間の扱い量と売上は横ばい傾向だが、長野市内には他県の問屋によるヤード進出も増え、行政が絡む回収量は毎年1~2%減っていた。

高い自社回収の比率

同社の強みは、自社回収が多いことにある。パッカー車を16台所有し、アームロール車など他に12台の車両がある。扱い量のうち、8割が集団回収における自社回収、残り2割が行政回収の受入れと回収業者による持込み。高値買いや入札のような変動性の高い玉が少なく、安定した玉が九割を占める。逆にいうと、これは買い手であるJPにとって魅力だった。今回の仲介業務を三菱UFJ信託銀行が手掛けた。小矢澤商店の土地・建物・設備などの資産額を算定するとともに、「のれん代」とも呼ばれる回収や坪先における営業権についても仔細に評価。これらを加味し株式譲渡に係る売却額を見積もった。ちなみに売却額は公開していない。

学区回収で70トン超集まる

同社による回収対象エリアは長野市を中心とする北信地域。長野市で人口規模は38万人、北信地域で72万人。長野市の古紙回収は、集団回収と行政回収の二本立て。2012年度の集団回収は1万4,588トン、行政回収は7,838トンと集団回収が65%を占める。過去5年間の回収量の推移を振り返ると、毎年1~2%減少。イトーヨーカ堂やベイシアではポイント回収など多様な回収も拡がった。
集団回収では学区回収が盛んで、手厚い地域住民の協力の元で行う。ある地区では年2回の回収のうち、一度に70~80トン前後の古紙が集まり、これが小矢澤商店の安定した回収量を支えている。

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