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古紙ジャーナル バックナンバー

【インドの新聞古紙価格】
家庭から回収業者に持ち込んでキロ14円(5ルピー)
インドの物価水準から見て古紙は街の宝石
紙・板紙の消費量700万トンに対して古紙の回収量は120万トン

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2006年11月20日 714号

254万人の人口を擁するインドで7番目の都市プネーのにぎやかな旧市街

BLICsの一員として高度経済成長を続けるインド。11月初め、インドからの訪問者があったので、インドの紙・板紙生産量・消費量や古紙の回収量・消費量・輸入量などを調べてみた。発展途上国は総じて古紙の回収量が少なく、回収率が低い。インドも例外でなく、紙・板紙の消費量700万トンに対し、古紙の回収量はわずか120万トン、回収率は17%にすぎない。

回収量が少ないためか、古紙は貴重品で価格は驚くほど高い。回収率が低いのは古紙が紙ごみとして捨てられているのでなく①リサイクルでなくリユーズ(ものを包むなどの用途として再使用)されている②データ不足ーなどが原因とみられる。

プネーからの訪問者

インド西部の大都市、ムンバイー(かってはボンベイと呼ばれた)は、マハーラーシュトラ州の首都でもある。同州には石窟で有名なアジャンターなどの観光地があり、観光案内書によると州全体の人口は9.675万人。ムンバイーから南東に約200キロ行ったところにプネーというインドで7番目の大都市がある。人口254万人というから大阪市なみだ。

このプネーからやってきたインド婦人が弊社を訪ねてくれた。日本の観光が目的だが、奈良のシャープの工場に子息が勤務している関係で、奈良には時々来るらしい。訪問を幸いに、プネーの古紙のリサイクル事情を尋ねてみた。もっとも彼女は英語しかしゃべれず、観光の途中に半日立ち寄っただけなので、細かいことは聴きにくかったけれど。

新聞を持ち込むと5ルピー

家庭で発生する古紙はもっぱら新聞とのこと。彼女が住む居住区が豊かなためであろう。これを回収業者(日本でいうタテバか、タテバとは古紙とそれ以外の再生資源物全般を扱う業者のこと)のところに持ち込むとキロ5ルピーで買ってくれるという。現在、1ルピーは2.8円なのでキロ14円にもなる。14円もするということは古紙は大変な貴重品だ。

インドは貧富の差が大きい。積極的な購買力を持つ人口が全体の2割強(それでも2億人もいることになる)に拡がってきたといわれる。残る8割の一般庶民の日収は1日100ルピー程度だという。つまり新聞古紙20キロ分だ。ちなみに月収で3,000ルピーは日本円で8,400円である。デカン高原を東西に横断するカルカッタからムンバイーまで、丸48時間かかる横断鉄道の料金が日本円で2,000円くらいで済む。もっとも鉄道料金は5段階もあってピンキリ(10倍の格差)のようだが。ともあれ物価や人件費は大変に安い。

古紙は街の宝石

中国以上に物価が安いインド。そのインドで家庭が集めた新聞古紙がキロ14円で売れるのだから古紙はまさに街の宝だろう。昨秋、中国・浙江省に出かけたが、当時、国内品の新聞古紙でトン1,600元(製紙会社の買値)と語っていた。1元14円40銭で計算するとキロ23円にもなった。今秋、日本の新聞をCIF155ドル、円価で18円で買い付けしているのは、中国国内で回収される新聞古紙の価格が高いからである。

最近、関東地区ではバラの新聞古紙をキロ12円で買う問屋が出てきて、仕入れ競争の過熱化が指摘されている。12円というのはメーカーが購入する建値。輸出でもしない限り利幅がとれない。12円は関東の一部地域で、8円前後が平均的な仕入れ値とみると、新聞古紙価格はインドの半値だ。 

14円の新聞古紙、日本の物価水準でみると

ところでインドの物価水準は日本の10分の1から20分の1だろう。新聞古紙が14円もするということは、日本の貨幣価値に換算すると、140円とか280円、つまり200円前後のイメージになる。新聞古紙が200円もする!?ちょっと想像しがたい世界だ。

古紙を回収基地にもっていけば、これだけの代価がもらえるとなると、インドで古紙を捨てる人はいないだろう。日本では1970年代に2度のオイルショックが起き、問屋の売値がキロ50円や60円にもなったが、100円を超えることはなかった。現在のインドの古紙は70年代の日本の古紙より割高といえる。

1人当たりの紙・板紙消費は7キロ足らず

インドの昨年の紙・板紙生産量や消費量をみると、生産が660万トン、消費が714万トンで消費が上回る。このため不足分を輸入している。洋紙と板紙の生産内訳は55対45で、洋紙が上回る。インドはおよそ11億人の人口を抱え、中国に次ぐ人口大国。いずれ中国の人口を上回ると観測されているが、そのインドの1人当たりの紙消費量は6.5キロ(04年データ)と、低水準にとどまっている。ちなみに中国は42キロ、日本は247キロである。人口からして1人1キロ消費が増えるだけで、110万トン増になる計算だ。

日本からの輸出はわずか477トン

一方、古紙の回収量はわずか120万トン、消費量は261万トン。不足分を輸入に依存しており、昨年の輸入量は142万トンだった。主要な輸入先は米国、イギリス、オランダ、アラブ首長国連邦など。日本はほとんど輸出していない。今年1-9月の累計でみてもわずか477トンにすぎない。日本からのインド向け輸出が少ないのはフレート(海上運賃)が高いため。将来、インドからの輸入物資が増えて空コンテナ(帰り便)も増えれば①フレートがもっと安くなるだろうけれど。

インド地図

インド地図

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