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古紙ジャーナル バックナンバー

【バイオマスボイラー】
製紙業界だけで34基(うち来年以降の稼動予定は17基)にのぼる
木屑の総使用量、年間250万トンを見込む
バイオマス燃料の供給不足は必至か

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2006年11月27日 715号

製紙業界のバイオマスボイラー地図

製紙業界のバイオマスボイラー台数は今年初14基(04年~07年に稼働)と報じたが、その後、大手洋紙各社・各工場の新設計画の発表が相次いだ。01年稼働の2基(いわき大王製紙と東海パルプ)を加えると、稼働予定台数は34基(既稼働17基、稼働予定が17基でうち2基は石炭が主燃料)にのぼる。容量である時間当たりの総発生蒸気量は4,800トン。

石炭を使わず木屑、RPF(固形燃料)、廃タイヤ、PS(ペーパースラッジ)だけを使用すればこれら燃料の年間使用量は500万トンにもなろう。バイオマス燃料は製紙以外(鉄、セメント、電気事業者など)の需要も膨らんでおり、34基が順調に稼働できるのかどうか、懸念されている。今回、木屑、廃タイヤ、廃プラのリサイクル状況を追ってみると。

RPFも必要量がまだ集まらず

RPFとは廃プラと紙ごみ(一部は木屑などを代替)を高温で溶解してクレヨンの大きさに固めた固形燃料のこと。年間14万トン前後という大量のRPFを使用する工場は王子製紙苫小牧、同米子工場、王子板紙・大分工場と、王子製紙グループに偏っている。3工場のバイオマスボイラーはすでに稼働しているが、必要な数量がまだ集まっていないのが現実だ。

バイオマスボイラーの容量は発生蒸気量で決まる。時間当たりの発生蒸気量が大きいボイラーほど大型で、燃料の使用量も多くなる。最大のものは08年に完成予定の王子製紙・富岡工場の発生蒸気量が時間で300トンのボイラーである。

燃料使用量、03年から10倍に

 本紙は今年の新年号で日本製紙連合会から頂いたデータをもとに、製紙業界のバイオマスボイラー(04年~07年に稼働)を14基と報道した(同データには一部既稼働のボイラーが洩れていたけれど)。それがこの1年間に新規計画の発表が相次ぎ、34基にまで膨らんだ。

また03年までのバイオマス燃料の使用量は50万トンだった。これが今後、09年頃の必要な使用量が500万トンくらいになり、10倍に膨らむ。つまり03年と比較するとボイラー台数は2.5倍、燃料の使用量は10倍にもなるわけだ。

例えば来夏新ボイラーが稼働する王子製紙春日井工場でみてみると。同工場は2基のボイラーをスクラップして、スクラップアンドビルドによる1基の新ボイラーを建設中だ。現在のボイラーによる使用量は、木屑月間5,000トン、RPF同1,500トン~1,600トン、廃タイヤチップ同1,000トン。年間使用量はおよそ9万トンだが、新ボイラーが稼働すると別表のように年間使用量は19万トンにもなる。

08年には11基が稼働

前述したように年初段階で14基だったが、その後、新設計画が相次ぎ、直近の王子板紙・日光工場を含めると、34基に膨れあがった。既稼働は17基、来年以降に稼働するのが17基。来年は五基、日本製紙グループの新設ボイラーが08年に集中しており、08年は11基とピークを迎える。

1工場でバイオマスボイラーを2基保有しているのは、現在では東海パルプ・島田工場のみ。島田工場では01年稼働のボイラーを廃棄物ボイラーと位置づけているけれど。いわき大王製紙は現在は1基だが08年にもう1基稼働予定。

上図のように地域別にみると北海道が3工場3基。東北が6工場7基。関東が4工場4基。甲信越・北陸が2工場2基。静岡を含めた中部が6工場7基。近畿が2工場2基。中国が4工場4基。四国が3工場3基。九州が2工場2基。このうち中国地区の2基のボイラーの主燃料が石炭でバイオマス燃料の使用は未定となっている。

木屑のリサイクル量は年間250万トン

次いでリサイクル状況をみてみよう。まず木屑。解体材の多くはパルプ用チップとして利用されてきた。しかしパルプ原料に適さない解体材、建設廃材、梱包材などが産業廃棄物として排出。かってはこれらは埋め立てられたり、焼却処分されてきた。

パルプ原料に利用できない、捨てられてきたこうした木屑を燃料として利用しようというのがバイオマスボイラーである。NPO法人の全国木材資源リサイクル協会連合会によると、03年の木屑リサイクル量は235万トンで、地域別には別表のようになっている。近年は250万トンくらいの木屑がリサイクルされているもよう。

製紙だけでも将来、利用しようとする量が年間約90万トンある。これは現在のリサイクル量の36%を占める。木屑を含めたバイオマス燃料は製紙以外の鉄、セメント、電気事業者など幅広い業種で利用されている。とくに電気事業者には新規参入者が多く、木屑の利用を予定している業者が多い。木屑のリサイクル量が毎年10万トン程度増えているもようようだが、需要増に追いつかないのが現実であろう。

廃タイヤ、87%の高いリサイクル率誇る

日本タイヤリサイクル協会によると、廃タイヤの03年度の総発生量は103万トン。87%がリサイクルされており、リサイクル率は非常に高い。このリサイクル状況は別表のようで、構成比をみるとサーマル使用がトップを占める。次いで海外輸出、マテリアル・リユースと続く。

サーマルに45万トン使用されており、これはセメント焼成用やタイヤ工場での石炭代替燃料として利用されてきた。03年当時では製紙の使用量はごくわずかだった。非リサイクルが14万トンあるものの、製紙業界の今後の使用予定量は約40万トン。非リサイクル分野を掘り起こすだけでは不足する。ということはすでに利用している業種や海外輸出などとの購入競争になることは必死か。

製紙業界のバイオマスボイラー地図

製紙業界のバイオマスボイラー地図

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