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古紙ジャーナル バックナンバー

蘇った雑誌価格、問屋売価の実勢は二桁に
1992年以来14年ぶりの二桁台への回復
洋紙向選別雑誌はすでに11円(問屋店頭)に

カテゴリーカテゴリー:古紙ジャーナル バックナンバー 古紙国内価格

2006年12月18日 718号

雑誌古紙価格が蘇った。昨冬に続き、雑誌の輸出価格が段ボールを上回り、ドルベース(CIF価格)ではトン10ドルも高くなった(140ドル台前半で推移)。問屋手取り価格でもキロ13円台に乗せている。一方、板紙向けの国内建値は全国的に7円~9円に据え置かれている。内外価格差が5円前後もあるため、建値で雑誌を購入できないメーカーの多くは、輸出価格に近いプレミアム(割り増し)価格を出して買い付けている。

雑誌の回収量の3割が輸出されているうえ、国内メーカーの多くがプレミアム価格を出して買い付けしていることを考慮すると、雑誌の実勢価格(問屋の売価)はすでに二桁台に乗ったとみることができよう。ちなみに二桁台乗せは1992年以来、実に14年ぶりの回復である。

過日、沖縄にでかけたが、ある業者が新規にヤードを出したということもあって新聞、雑誌、段ボールの3品を一律9円で買い付けていた。新聞の9円はともかく、雑誌や段ボールの高値の仕入れ価格にびっくり。驚くとともに、雑誌価格が蘇ったという印象を強く持った。

後述するが日本製紙などの洋紙メーカーは選別の回収雑誌を大量に使用するようになった。この選別雑誌が11月から1円アップし、問屋店頭で11円になっている。板紙向けの建値に先行して二桁台に乗せているものの、それでも輸出の雑誌価格との格差が2円以上あり、思うように数量確保できない状況にある。

七五三価格が底割れ、問屋の売価に

かって七五三価格といえば、古紙相場の底値を表現する代名詞でもあった。同価格は問屋の仕入れ価格のことで、新聞7円、段ボール5円、雑誌3円を指した。しかしさらに古紙相場は底割れし、七五三価格は問屋の仕入れ価格で止まらず売価にまで進展していく。1990年代後半から2000年代前半にかけてが相場の陰の極だった。当然、雑誌の仕入れ価格は逆有償に転落。逆有償の雑誌を集団回収の業者が集めない(放置する)という事態も各地で発生した。雑誌は完全に商品価値を失いつつあったわけだ。

段原紙が雑誌を積極的に利用

雑誌が商品価値を失ったことで、雑誌を積極的に使おうというメーカーが出てくる。段ボールの代替で早くから雑誌利用に乗り出していたのが段原紙メーカー、とくに外装ライナーメーカだった。外装ライナーのあんこ(多層抄きの中間層)に大量の雑誌を使用した。その数量は全体で100万トン。雑誌消費量の4割に近い。

本紙684号で報じたように雑誌の昨年の回収量は推定376万トン。内訳は国内消費266万トン、輸出110万トン。昨年の品目別の輸出によると、雑誌は85万トンだが、その他に雑誌が紛れ込んでいる。その他の輸出は49万トンだったが、このうちの半分の25万トンが雑誌と推定。これを上乗せすると110万トンになるからだ。これは国内回収量の29%に匹敵し、古紙の品種でもっとも輸出比率が高い。ちなみに段ボールは16%、新聞は12%であった。なお輸出のその他には雑誌以外ではオフィス古紙、台紙・地券、紙管、茶模造などがある。

電話帳古紙にクローズドループ

2000年代に入ると段原紙だけでなく洋紙メーカーが積極的に雑誌利用に乗り出す。雑誌の一品種に電話帳古紙があった。いまでこそ回収量が激減してしまったが、当時は電話帳古紙も板紙の嫌われものだった。これを電話帳用紙を生産する洋紙メーカーが利用するようになる。

まずNTTはスキ色といわれた紙を染色したイエローを廃止して印刷イエローに代え、洋紙側は電話帳の背糊を処理する技術を確立。こうしてNTTが回収した電話帳古紙を電話帳用紙の生産メーカーが利用するというクローズドループ(リサイクルの輪)ができあがった。

洋紙向け雑誌利用が拡大

こうした動きは出版用紙や印刷用紙の分野などにも拡がり、残本(書籍や雑誌の売れ残り)や選別した回収雑誌を使う洋紙メーカーが増え、雑誌の洋紙向け消費拡大へとつながる。例えば古紙再生促進センターの98年のデータをみると、雑誌の消費量は228万トン。うち紙向けは6万6,000トンでわずか3%にすぎなかった。これが昨年になると、消費量は266万トン。紙向けは49万トンを占め、18%にもなった。この7年間に15ポイントも紙向け比率がアップしたことになる。

価格の下落で輸出競争力が生まれる

商品価値を失い、価格が安くなったことで、雑誌の国内消費が拡大した。また価格が安くなったことで輸出競争力も生まれる。おりしも中国市場の急成長による紙・板紙生産設備の驚異的な増強によって、中国は猛烈な勢いで古紙の輸入を増やすようになる。日本の安い雑誌古紙は格好の輸入原料になった。

つまり雑誌は従来の白板紙などの紙器用板紙に使われるだけでなく、①段原紙②洋紙③輸出によって用途がどんどん拡大する。用途の多様化は今日のように雑誌価格が回復する伏線になったといえよう。価格の上昇が続くと将来、雑誌の需要は減退するかもしれない。まず段原紙メーカーは高い雑誌を敬遠し、使い勝手のある段ボールにシフトしていくだろう。しかし、玉突きで段ボール価格が上がることも予想され、来年の局面が注目されるところ。

関東地区の雑誌の輸出と国内価格の推移

雑誌の回収量・消費量

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