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【丸茂製紙】
トイレットペーパー原紙の専抄メーカーとして生産拡大
月間1,100~1,200トンを抄造し外部に販売

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2014年4月21日 1079号

丸茂製紙㈱(猿渡公洋代表取締役社長、本社・静岡県富士市今泉2-6-19)を訪問し、猿渡社長と渡邉専務に話を聞いた。同社の大きな特徴は加工部門を持たず、トイレットペーパー原紙の抄紙に特化してきたことだ。加工含む一貫メーカーが主流の家庭紙において、独自のスタンスを取っている。現在、月間1,100トン~1,200トンを抄造し、原紙を全量外部に販売する。この14年間で生産量と売上をほぼ倍増させており、経営を成長軌道に乗せてきた同社の秘訣を探った。

原紙を20社超に外販

もともと同社は、加工会社を親会社にした一貫メーカーであったが、完全に独立し、2002年からトイレットペーパー原紙の抄造に特化。TP原紙を他社に外販する形に切り替えた。全国的にみても他にTP原紙の専抄メーカーは、道栄製紙の富士工場ぐらい。ティッシュペーパー原紙の専抄メーカーでは、ハビックス(岐阜)がある。家庭紙に限らず洋紙や板紙分野でも、抄紙メーカーが加工部門まで手掛ける生産の一貫化が製紙業界の潮流となってきた。その家庭紙分野の中で、同社は原紙専抄メーカーという独特の地位を築いている。

TP原紙の販売先は、ツユキ紙工(富士市)、丸富紙工(富士市)、中村製紙(岐阜)など20社超。販売する地域は、新潟から岐阜にまで渡る。かつて富士地区に加工メーカーは100社ほどあったが、今では20社前後まで減少。家内工業的な経営体質も残り、正確な企業数の把握が難しいという。

TP原紙は、社会福祉施設にも販売する。共働学舎(東京)、あんしん(新潟)、かたぐるま(千葉)、とも(群馬)の4団体でいずれもワインダーを備え、障害者を雇用した授産事業の一つとしてトイレットペーパーの梱包、販売している。中でも共働学舎は衆参両院の議員会館から発生する雑古紙を集め、それを丸茂製紙に納めて、原紙と相殺取引きしている。共働学舎に原紙で出荷するのは月に15トンほど。

原紙の販売先には、加工メーカーだけではなく一貫メーカーも含まれる。これはひとつには加工部門が抄紙部門を上回る能力があるため。また一貫メーカーが生産できず、同社にしか抄造できない品種にもニーズがある。例えば、巻き長さが200メートル用の長尺ものの製品である。現在、同社で製品する品種は20種弱。販売先の加工設備に合わせて原紙の仕様を変えている。抄紙幅、クレープ率、坪量がそれぞれ異なる。なお、製品の品種によって原料である古紙の配合は変えていない。

薄利の価格競争から脱却

「利益を出さないと、設備投資も出来ないし、従業員に賞与も出せない」。原料高の製品安にあえぐ家庭紙業界にあって、猿渡社長はこう強調する。TP原紙を外販するビジネスでは、家庭紙の加工メーカーが顧客なので、小売を相手にする最終製品に比べて取引価格が安定する。そのため、小売業者間の価格競争に巻き込まれることがない。一貫メーカーに比べ安定した利益を確保できるのが、専抄メーカーの強みである。もっともTP原紙の専抄メーカーとして優位性は、周辺の富士地区に加工メーカーが多く、消費地である首都圏に近いなど生産に適した好条件に支えられているからだ。

こうした静岡の家庭紙メーカーが置かれた環境を冷静に捉え、独自の経営スタンスを築いてきた猿渡社長。もとは金融機関の出身で、共立紙業(現王子斉藤紙業の杉並営業所)を経て、14年前に丸茂製紙の役員に就いた。静岡に全く地縁もない「外様の人間だから」と言うように、外部の視点で経営改革に取り組んだ。その結果、ジリ貧だった経営を立て直し、14期連続で黒字を計上して、成長軌道に乗せている。

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