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古紙ジャーナル バックナンバー

【シンガポール・マレーシア】
家庭ごみはすべて民間企業が収集
資源物は民間と行政回収が共存へ
シンガポール、リサイクル袋でも回収

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2007年1月8日 720号

高層ビルが林立するシンガポール

本紙の女性スタッフが昨11月、ヒッポという語学のサークル仲間とホームスティを含む旅に出た。シンガポールでは社会人の男性とスティ先のシングル女性(いずれも中国人)が取材に協力してくれた。また年末にはマレーシアの女学生(やはり中国人)が拙宅にスティした。そこで彼らを通して両国のごみやリサイクル事情を尋ねてみた。

両国とも家庭ごみは民間業者が集めていた。古紙、ビン、缶などの再生資源は、回ってきた回収業者に引き渡すか、オフィス、学校、メインストリートなどに役所が設置した回収ボックスに入れる。ボックスの中身は行政が集めているので、資源物は民間と行政回収が共存していることになる。シンガポールでは珍しい水の再生工場(単なる浄化施設ではない)を見学する機会があったので、合わせて紹介したい。

6つの質問

シンガポールの男性社会人に6つの質問を投げかけてみた。①家庭内で発生するごみを分別しているか②分別している場合はその種類③ごみを回収するのは行政か民間か④回収する頻度は⑤またどうやって回収しているか⑥新聞を購読している場合、どれくらいの価格で売れるか。

この回答をまず紹介しよう。①ごみは分別されてしていない。ガラス、紙、生ごみ、木などすべてが混ざっている②家庭とは別に、いくつかの公共のリサイクル施設(写真のように資源物の回収ボックスが設置されている)があり、ボックスには紙、ガラス、金属などを一緒に投入する。オフィス、学校、オーチャド通り(シンガポールのメイン通り)などに、ボックスが設置されている。

古紙は11円~15円で回収人が引き取る

③民間である④毎日回収されている⑤多くの市民はフラットと呼ばれる政府系の分譲の高層マンションに住んでいる(日本でいう公団住宅のような施設)。各家庭にはごみを捨てる投入口があり、捨てると1階まで落下して溜められる。ごみ収集人は1階にいくつも並んだ取り出し口からごみを運び出す。集合住宅ではなく一戸建ての家庭では家の外の箱に溜めておく。週に3回、回収される⑥古紙は中古品回収人によって集められる。週に1回、呼びかけて回る。古紙以外にテレビ、ラジオ、コンピュータなども回収する。彼らに引き渡すと、古紙はキロ15セント~20セント、テレビが20ドル、ラジオが5~10ドルで売れる。

ごみは民間業者が収集

現在、シンガポールドルは1ドル75円前後。つまり古紙は日本円にしてキロ11円~15円で回収人が引き取ってくれる。テレビは1,500円、ラジオは500円前後。回収人の古紙の買取価格が10円以上もするということは、古紙価格が大変高いことになる。本紙714号ではインドのプネーで新聞古紙が14円で売れる(回収人が家庭から買う値段)話を紹介した。日本、韓国、台湾などを除き、中国を始めとしたアジアの古紙価格は総じて驚くほど高い。

リサイクル袋を配布

民間の回収人と役所の回収ボックスの他に、政府は自治体を通して各家庭にリサイクル袋(ポリ袋)を配布している。大きさは横45センチ、縦70センチ。家庭はこれに古紙、古着、ビン、缶、プラスチック容器、小型の家電製品などを入れて出す。月に2回収集され、朝8時半までに出すようにプリントされている。

古紙の種類についても記載されており、新聞、書籍、雑誌、郵便物、カートンボックス、その他となっている。これを収集している(政府か自治体の委託であろう)回収業者の社名、住所、電話番号などもプリントされており、ごみと同様に収集は民間業者だ。

3通りの回収がある

つまりシンガポールでの資源物の出し方としては①民間の回収人に売る②公共のリサイクル施設に持ち込む③資源用のポリ袋に入れて出すーの3通りがあるようだった。③の場合、家庭は資源物を混ぜて一緒に出すので、業者がポリ袋を回収して持ち帰り、工場で選別しているのだろう。日本に例えると、②は自治体の拠点回収、③は政府なり自治体がサポートしているところから、集団回収あるいは行政回収といえるのでないだろうか。

ところで⑤の集合住宅だが、ふた通りがある。高層の分譲マンションでHDB(政府系で民間より安値)と呼ばれるアパートの場合は、政府が保護費から支払う。一方、バンガローやコンドミニアムと呼ばれる高価な住宅の場合は各自が支払う。管理人が月額を集めてこれをごみの収集会社に払う。政府系住宅にせよ民間住宅にせよ、シンガポールではごみは民間企業が集めており、政府や住民が代価を払っている。

メンタカブに住む

都市国家シンガポールと違いマレーシアは国土が広い。拙宅にホームスティした女学生はマレーシアの首都クアラルンプールの東部パハン州のメンタカブという町に住んでいる。クアラルンプールから車で2時間くらいかかるという。

彼女は中国人。英語と中国語とマレー語ができる。両親は共働きで一戸建て住宅に住み、食事や掃除の世話をするメイドさんが2人いる裕福な家庭環境にある。彼女はちょうど17歳。同国では17歳から運転免許の取得が可能で、さっそく免許を取り、車で学校に通っているとのこと。

資源物の集め方はシンガポールと同じ

この彼女の住んでいる町では、ごみは有料で毎日収集に来る。時間帯は午後の2、3時頃(日本は午前中のところが多いが)。やはり民間業者が収集していて、月に1回、ごみ収集代金の集金に来る。この代金は日本円にして月600円くらいとのこと。

一方、古紙、缶、ビン、メタルなどの再生資源物は民間と役所が収集しているおり、ふた通りがあるとのことだった。これは前述したようにシンガポールと同じだ。学校やバスステーションやロードコーナーなどに行政は回収ボックスを設置しており、溜まると回収する。民間はやはり回収人がいて町の中を回って回収しているとのこと。

ただ彼女はまだ学生ということもあり、回収人に引き渡す古紙の値段については詳しく知らなかった。シンガポールと似たような価格水準であると推定できる。また第3の集め方、リサイクル袋に入れて家庭が出すという方法は知らない様子だった。

中国人が8割を占める

読者のためにシンガポールとマレーシアの国情を簡単に紹介しよう。シンガポールはマレー半島の先端に位置する島国。日本の淡路島程度の面積に320万人の人口を抱える都市国家。高層ビルが林立し、ここがアジアの国とは思えないような印象がある。正式国名はシンガポール共和国。政体は共和制で1965年にマレーシア連邦から完全独立し、以後、めざましい経済発展を遂げる。

人種は中国人が8割を占め、残りがマレー人やインド人。日本との時差は1時間で、気候は年中高温多湿の熱帯雨林気候に属する。通貨はシンガポールドルで1ドルは75円前後。94年頃は68円前後だったので、シンガポールドル高円安になっている。

国土はボルネオ島にも

東南アジアの地図を拡げると分かるように、マーレー半島はインドシナ半島の先にぶら下がった細長い格好の半島だ。このマレー半島の北部がミャンマー、中部がタイ、中部から先端がマレーシアである。マレーシアはマレー半島にとどまらず、ボルネオ島の北部にまで拡がる。この北部の一画にブルネイという天然資源が豊かな独立した王国がある。中部から南部がインドネシアだ。ボルネオ島に国境があるというだけでもおもしろいけれど、日本というか日本列島では想像できない国情である。

13の州と3つの連邦特別自治区からなる立憲君主国。首都はクアラルンプールで150万人の人口を抱える。日本の面積の九割弱の広さだが、国土の約60%が熱帯雨林で覆われている。総人口は2,500万人で、人種はマレー人(54%)、中国人(35%)、インド人(10%)などで構成される他民族国家。国教はイスラム教だが、信仰の自由を認めている。通貨はリンギット。1リンギットが現在32円前後しており、94年頃は40円前後だった。シンガポールドルとは反対に円高リンギット安になっている。

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