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古紙ジャーナル バックナンバー

【秋田県の古紙回収】
分別収集が定着、古紙回収量の8割占める
【山形県の古紙回収】
助成金充実する集団回収、分別収集は減少

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2007年9月24日 755号

全国の地方自治体の都市部を対象とした調査で、今回は東北地方の秋田県と山形県を報告する。秋田県は13市で人口は約102万人、山形県は13市で約94万人。秋田県では回収量のうち分別収集が約8割を占めるのに対し、山形県では集団回収が約7割を占め、特徴の違いが鮮明となった。

ただ共通するのは大都市において行政と古紙問屋、製紙メーカーの三者が連携して古紙のリサイクルに取り組んでいることだ。また両県では、ここ数年で新ヤードの開設が相次いだことにより仕入れ競争も激化している。

秋田県では分別収集へ注力

秋田県で集団回収と分別収集の割合は19:81と分別収集が大半を占める。量でみても分別収集で2万7,000トンを超える。なぜこれほどまで分別収集で集まっているのか。業者への集団回収の助成金制度が秋田市に限られており、その総額も約150万円とわずか。

また冬季は積雪により回収も容易ではない。そのため回収業者や古紙問屋にとって集団回収を行うメリットが少なく、回収費用が委託される行政の分別収集に誘引されるのではないか、と分析する。

人口33万人の秋田市の分別収集の仕組みは珍しい。もともと可燃ごみから紙類を分別して資源化する目的で、平成7年から分別収集を開始した。その回収にあたって行政と地元の回収業者らと製紙メーカーの三者で協定を結んだのである。秋田市は市民へ回収方法を告知して、回収業者らは各回収ステーションから古紙を集める。そして集まった古紙を日本大昭和板紙東北㈱が買い取るというわけだ。

後に回収業者らは、事業共同組合である秋田古紙回収協会として法人化し、ベーラーを入れたヤード(中間処理施設)も開設した。当初、3,600トンであった回収量も、今では1万トンを超え、集団回収の約2.5倍にもなる。古紙価格が下落したときには、秋田市が補填するなど、相場に左右されない協力関係を築く。こうした三者協定を結び、事業として回収を行ってきたことが、安定した回収と回収量の増加を実現させたようだ。

大館市は、1世帯あたりの回収量が100キロを超えて大台に乗った。分別収集が定着し、回収量の73%を占める。昨年まで集団回収で団体に対しキロ3円を助成していたが、今年度からはキロ一・五円に下げ、来年度は〇円として、段階的に廃止する予定だ。「助成金制度の廃止は、分別収集によるリサイクルが進んできたため」と生活環境課の担当者は話す。

秋田県では、集団回収の助成金を縮小して、分別収集へ注力する流れが主流だ。アパッチ(抜き取り行為)を懸念する声もなく、分別収集を中心とした回収方法が今後も定着していくに違いない。さらに回収量の増加を望むのならば、秋田県では今のところ事例のない雑がみ回収へ着手することに期待したい。

充実する山形県の集団回収

対照的に山形県では集団回収と分別収集の割合は69:31。隣接する2県で、ここまで回収量の割合が反転する例も他に見ないのではないか。山形県ではとくに集団回収の助成制度が手厚い。13市のうち団体に対しては11市、業者に対しては7市で助成金制度がある。団体への助成額は山形市で最高のキロ5円。人口が少ない市ほど助成金額も低い傾向があり、助成金の総額は約1億4,600万円にのぼる。

集団回収と分別収集の2本立て回収が実を結び、1世帯あたりの回収量は115キロと高水準だ。山形市などの大都市が引っ張るだけでなく、9市で1世帯あたり100キロを上回る。また大都市である山形市、鶴岡市、坂田市の3市で家庭ごみの有料化を実施しておらず、導入後はさらなる回収増も期待できる。ただ10万人あたりのヤード密度が1.72と高い山形県で、回収量は既にピークを超えたとの見方もある。

総回収量は落ち込む

山形市では、集団回収と分別収集を合わせた回収量が平成14年に1万3,000トン超のピーク。平成13年から分別収集を開始したが、平成15年、16年と回収量は落ち込んだ。平成15年頃から相次いだヤードの新設によって、抜き取りの発生や他の方法による回収が活発化したためだ。ところが平成15年から集団回収でも軒先回収を行い、回収回数を増やすなどサービスの充実を図っている。そのため平成16年以降、集団回収の回収量は上昇した。

分別収集では組合との随意契約により行うが、集団回収で手厚い助成金を支援して、問屋や回収業者側はそのサービスを充実させる。新規参入したヤードと古参の古紙問屋でそれぞれの強みを生かして住み分けがされているようだ。(本紙4面に詳細を掲載)。

米沢市のように、集団回収の助成金制度を実施していない市もある。平成9年に助成金制度を廃止して、分別収集の一本化に踏み切った。その回収量も平成15年に約4,200トンのピークであったが、昨年度には約2,500トンまで下がり伸び悩む。2年前から分別収集の売り渡しが入札制となり、仕入れ競争も激化しているもよう。「回収量の減少は抜き取りも生じているが、新聞店回収やスーパーでの回収など多様化する回収方法が影響している」と市の担当者は話す。

日新工業が400トン消費 山形県では、03年ごろより古紙問屋のヤード数が増加した。その掘り起こしによる回収増もほぼひと段落して、今では回収量が頭打ちの様相だ。また県下で回収された古紙は輸出するよりも、その多くを地元企業へ納める。山形市にある日新工業㈱の山形工場では、建材原紙であるルーフィング材を生産するため、月400トン程度の古紙を消費する。山形市内の古紙問屋を中心に、県内外からも古紙を買い集めるという。

集団回収の手厚い助成と、大口の納入先である地元企業の存在により回収ルートが確立されている面もあるが、今後は全体量がみえた古紙をめぐって他の方法による回収も増えてくるのではないか。

山形県・秋田県の古紙回収

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