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古紙ジャーナル バックナンバー

【PETボトル】
売却総額88億円、単価高騰で淘汰される事業者
独自処理と指定法人の両ルート間で自治体は混迷

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2008年9月8日 802号

自治体の分別収集によって年間約30万トン集まるPETボトルは、指定法人(容リ協会)ルートまたは独自処理ルートで再商品化や輸出に回っており、2つのルートが併存している。

今回、環境省による「市町村における独自処理に関する実態調査」から独自処理ルートでの売却単価や引渡事業者と、容リ協会がHP上で公開する入札結果を比較してみたところ、両ルートによる売却総額は88億円に上り、それぞれのルートの傾向や特色が明らかとなった。

一方で、既報のとおり、引渡単価の高騰で再生事業の採算が悪化し、経営破綻や苦境に立たされる事業者も現れてきた。各ルートのメリットや問題点を整理し、PETボトルリサイクルの現状を探った。

PET扱う問屋も増加

容リ法が動き出してから、この11年間を振り返ってみると、古紙問屋でもずいぶんPETボトルの処理施設を保有するところが増えた。初めてPETボトルリサイクルに乗り出したのは新井商店グループのリソースガイヤ(千葉県松戸市)。その後も参入は相次いで、PETボトルを扱う古紙問屋は現在、北海紙管(札幌市)、佐久間(千葉市)、山室の関連会社である新日本産業(東京都)、九州ではイワフチ(佐賀県)や石坂グループ(熊本市)等がある。

古紙問屋がPETボトルも扱うことも珍しくなくなったわけだが、当時は韓国に比べて十年遅れているとも言われていたのである。すっかり定着した自治体の分別収集によって、今やリサイクル率も66%を超えた。

処理費から仕入れに反転

PETボトルの分別収集が始まって以来、年々増加を続けてきた回収量は、平成19年度に30万トンに達し、増加傾向は続いている。このうち容リ法にもとづく指定法人ルートの再商品化量も回収量の増加ペースに合わせて伸びてきたが、平成16年をピークに減少。

この頃から、指定法人ルートでは容リ協会が処理費を支払う中、直接に事業者が自治体から有償で買取るケースが出てきたのである。平成17年には独自処理ルートが倍増し、とうとう指定法人ルートでも有償入札に踏み切った。有償入札による価格は平成18年度1万7,300円、平成19年度3万8,900円、今年度は4万5,100円と年々上昇している。

負担であった自治体の回収費用も、有価入札で得られた金額が「有償入札拠出金」として市町村に還元されるため、自治体が独自処理することによる財政面のメリットは、指定法人のルートでもあまり変わりがないものとなった。事業者にとっては「処理費」を得られる時代から、廃PETボトルを「仕入れ」する時代へ突入したのである。

19年度単価はともに3万円台

平成19年度の両ルートの落札価格の平均はともに3万円台で、独自処理ルートが3万1,600円に対して、指定法人ルートが3万8,900円と7,300円ほど高い。各地域別に見ても、北海道と沖縄を除く全地域で指定法人ルートの単価が高くなっている。指定法人ルートでは登録業者による入札で引渡されるが、独自処理ルートでの売却方法は自治体によってまちまちだ。その方法は入札が55%、事業者と協議が22%、事業者の指し値が11%とある。両ルートの売却総額は88億円に達した。

『引渡価格の分布状況と最低・最高価格』の一覧は、個別の売却単価を価格帯で拾って見たもの。指定法人ルートの引渡し価格帯が3万円台と4万円台に合わせて7割が集中しているのに対して、独自処理ルートでは1円以上1万円以下から5万円台の6つの段階の全てで、10%超が分布しており、売却価格の散らばりが目立つ。地域別の最高価格で見ても、独自処理ルートは軒並み指定法人ルートより高くなっている。平均すると指定法人ルートのほうが高くなるが、独自処理ルートでは振れ幅が大きい分、売却価格は高騰する傾向にある。

PETボトル

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