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【中隆紙業】上海の回収伸びるも3分の1は日本品を使用
古紙在庫は約4万トン(一ヵ月分)で国慶節に備える

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2010年9月27日 903号

中隆紙業の工場全景。45万トンの生産能力がある

経済発展著しく、今年は万博開催に沸く上海を訪れた。今年の上半期、中国の古紙輸入量が前年を割り込み、原料調達に変化の兆しが現れていた。現地を訪れたのは、①中国の国内回収の動向、②製紙メーカーの原料調達に対する姿勢、③国慶節を前に原紙在庫、古紙在庫の状況を知るためだ。数回に分けて掲載するが、今回は上海で最大の段原紙メーカーである上海中隆紙業の様子をレポートしたい。

上海の古紙回収率は55%

上海製紙業協会のレポートによると、上海には19社の製紙メーカーがあり、09年の紙・板紙の生産量は82万トン、消費量は240万トンで域外からの流入が多い。上海市の人口は1,920万人。1人あたりの紙・板紙消費量は125キログラムと、中国全体での65キログラムの2倍近くに上る。

一方で、古紙の回収も伸びている。年間約130万トンが回収され、回収率は約55%とされる。中国全体での回収率は40%なので、15ポイントも高い。上海のような都市部では経済発展に伴い、紙・板紙消費量が飛躍的に伸びるとともに古紙の回収率も格段に上がっているようだ。

主な製紙メーカーと09年の生産量は、上海中隆紙業(41万トン)、殷泰紙業(12万トン)、上海金奉源紙業(6.5万トン)、東冠紙業(6万トン)、上海金佰利紙業(1.2万トン)と中隆が最大のメーカーとして抜きん出る。上海の19社で使用する原料は93万トン。その内訳は、輸入パルプが19万トン(24.6%)、輸入古紙が46万トン(49%)、国内古紙が28万トン(29.6%)、その他繊維原料が6千トン(0.6%)。古紙が原料の4分の3を占め、輸入古紙と国内古紙の比率は6:4となっている。

上海市では古紙回収が伸びているにも関わらず、市内での消費は4分の1近い28万トンにとどまる。これは周辺に製紙メーカーが多く、浙江省で658社、江蘇省で215社が立地しており、上海市を含めたいわゆる「長江デルタ地域」で古紙が循環利用されているためだろう。

厳しい上海の環境規制、増設は困難

今回訪れた、中隆紙業は台湾に本社をおく正隆グループのひとつ。日本からも東海パルプ(現特種東海製紙)が15.2%、三菱商事が7.8%を出資し、02年に現地法人を立ち上げた。工場が稼動したのは04年からで、年産45万トンのライナー設備を備えている。09年の生産量は41万トンで、段原紙の分野で第9位、製紙メーカー全体で第30位につけた。ちなみに、08年には27位、07年には20位と年をおって順位を下げているのは、他メーカーによるマシンの増設ラッシュで、相対的に生産能力が下がったことによる。

中隆での今後のマシン増設の計画を尋ねると、「上海地区では環境汚染に対する規制が厳しく、この周辺では増設が難しい。他のところで場所を探しているが1、2年はない。古いマシンの廃棄があれば、M&Aも考えている」と、陳誠臺総経理が自ら答えてくれた。なお、中隆は台湾の環境配慮基準を導入し、製紙メーカーとしては世界初のISO14064を取得し、温暖化ガスを大幅削減に取り組んでいる。

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