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【東京都】新聞古紙の持ち去り深刻、被害額は約15億円に
都が関係機関と連携し検討協議会で対応策絞る

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2010年11月29日 912号

東京都は深刻化する古紙の抜取り被害の根絶を目指して、関係者を集めた持ち去り問題対策検討協議会を発足させた。都内では分別収集として排出される新聞古紙の27.3%が抜き取られ、被害総額は推定で約15億円にも上る。

17区6市町村が持ち去りを禁止する条例を制定し、世田谷区の条例違反では08年に最高裁での有罪判決も確定しているが、抜取り被害は後を絶たない現状にある。検討協議会では、オブザーバーとして警視庁も迎え入れ、今年度中に対応策を取りまとめる見通し。

墨田区は7割が持ち去り

社団法人東京都リサイクル事業協会のデータによると、東京都で昨年度の新聞古紙の排出量は、世帯推移や新聞用紙の出荷量から15万6,000トンと予測。だが、実際の回収実績は11万4,000トンだった。他の回収方式に移ったなどの要因も考えられるが、単純に差し引きすれば4万3,000トン弱が抜き取り被害にあったと推定される。回収段階の行政コストをキロ25円、回収古紙の価格をキロ10円として、被害総額は約15億円にも上っている。

持ち去り率で見ると、多摩地域が14.5%であるのに対し、23区では34.4%と被害はより甚大となっている。最も被害が深刻な墨田区では、持ち去り率はなんと71.7%にも達するそうだ。持ち去り行為が組織化、巧妙化しているだけでなく、集団回収や新聞販売店回収でも被害が頻発している。

各市区町村では、持ち去りを禁止する条例を定めて、所有権を明記したり、罰則を設けるなどして対策を行ってきた。23区内のうち17区、多摩地域でも6市町村がこうした条例を制定している。08年には世田谷区の持ち去り条例違反の罪で最高裁の有罪判決が確定している。

しかし、依然として持ち去り被害は後を絶たず、根本的な撲滅には至っていない。被害の増加によって、行政サービスの空洞化を招き、既存の古紙回収・問屋業界にとっては収益をひっ迫するなどの影響が大きくなっている。市民からの苦情も年々増加し、09年度には都内で累計4,874件の苦情または行政指導があった。

抜取り被害の背景には、古紙価格の上昇がある。東京23区が「ルール1」で資源物の分別収集を始めたのが2001年10月。このときの問屋の仕入れ価格は新聞がキロあたり2~4円、雑誌0.5~1.5円、段ボール1~2円だった。その後、古紙価格の回復とともに抜取り行為が増えてきた。現在の仕入れ価格は、新聞が9~10円、雑誌8~9円、段ボール9~10円。中間値でみて9年前に比べ新聞は3.2倍、雑誌は9.5倍、段ボールは6.3倍まで上昇している。

検討協議会を発足、年度内に対応策まとめる

東京都は、深刻化する持ち去り行為を排除するため、関係機関と連携し、対応策を検討するため持ち去り問題対策検討協議会を立ち上げた。検討協議会のメンバーには行政の他、製紙メーカー、直納問屋、回収業者が参加し、オブザーバーとして警視庁も迎え入れた。11月19日に東京都庁において、第1回の検討協議会が開催され、現状や課題の意見交換とともに、今後の対応策について話し合われた。

東京都内の新聞古紙持ち去り量と被害額の推計

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