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古紙ジャーナル バックナンバー

【大綿マレーシア工場】
2003年に開設、月間2,000トンの古布を扱う
従業員は300名、130種類に選別し輸出

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2013年10月28日 1055号

㈱大綿(愛知県愛西市)のマレーシア工場を見学した。同社は国内に7工場(愛知4、埼玉1、他2工場)と海外3ヵ国に5工場を持ち、月間約3,000トンの古布を扱っている。古布の扱い量は国内で最大級の規模を誇る。大綿のマレーシア工場は2003年に開設し、今年で10年目を迎える。扱い量は月間2,000トンで、全て日本から輸出したもの。マレーシアは人件費や諸経費が安い反面、多民族国家ならではの様々な政策があり、工場を運営・管理するには様々な苦労が付きまとう。マレーシアの古布事情や日本とマレーシアの比較を交えてレポートしたい。

マレーシアの古布事情

マレーシアには古布業者の工場が約20ヵ所ある。日本の業者は5~6社程度が進出しており、日本以外ではシンガポール、オーストラリア、米国、欧州、中東の業者が工場を持つ。大綿がマレーシアに工場を開設した理由は、①古布のバイヤーが集まるので情報収集に優れ、売り先も多い、②東南アジア諸国へのフレートが安い、③様々な諸経費が安いーということが挙げられる。

①は2000年前後からマレーシアには様々な国の古布業者の選別工場が開設され、必然的に世界中からバイヤーが集まるようになった。現在もその色が濃く、買い付けにきた世界中のバイヤーから様々な古布の動向や情報が入ってくるという。
②古布は発生地から選別地を経由して第三国に輸出されて販売されており、販売地は東南アジアとアフリカが圧倒的に多い。マレーシアからは同じASEANである東南アジア諸国へのフレートが安く、同じイスラム圏の中東やアフリカへの輸出も手掛けやすい。
③様々な諸経費が安いのも魅力。経済発展が著しい中国は人件費が高騰し、中国で生産の多くを手掛けていた企業は、チャイナプラスワンと呼ばれる人件費の安い国への移転を急いでいる。しかしマレーシアは人件費が上がっているとはいえ、中国ほどではない。

人件費は5分の1以下

日本の人件費は、東京都の最低賃金870円を基準とすると、1日8時間×24日勤務で月間16万7,000円。同工場の基本給が約3万円なので、日本の5分の1以下ということになる。ガソリン代を比較すると、日本は1リットル150円に対してマレーシアでは80円で約半分となっている。マレーシアの賃貸料は、不動産バブルの影響で近年かなり上昇している。長期間借りるには通常より高い賃料を払わざるを得ないというが、それでも日本と比べると格段に安い。また各税制の優遇も見逃せない。来春消費税が8%に引き上げられる日本に対して、マレーシアの消費税は導入を検討されているとはいえまだゼロ。また法人税は日本の35.64%に対してマレーシアは26%と低い。このように様々なコスト面のメリットがあるので採算が合うが、日本で全ての古布を選別していたのでは到底合わないという。日本の古布業者が海外に選別工場を開設する理由は、コスト削減の必要に迫られてというケースが多い。

余剰時代がトラウマに

同社は1990年代後半、アジア通貨危機などで古布の販路が一時的に絶たれたことがある。古紙問屋からの仕入れを止めるわけにはいかず、増え続ける在庫に不安の日々を送ったという。当時は最も多いときで約8,000トンの在庫を抱えたというから驚きだ。ちなみに日本の古布の回収量は年間25万トンなので、月間1,000トン以上を扱う業者はかなり少なく、大手業者と呼ばれている。この余剰時代の経験を糧に、①ストックできる工場を国内外に持つ、②仕入れ、選別、販売の全てを自社による完結方式にする、③多様な販売ルートを開拓ー等を行うことによって、扱い量を増やすとともにリスクを軽減してきた。

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